(2)インテリアコーディネーターを起用するとコスト高になる…は本当か?

こうして住宅会社、工務店、リフォーム会社、建築士、不動産会社などを最初に決めてスタートした家づくりは、ほとんどの場合、依頼先のペースで計画が進められます。「インテリアにこだわりたい」という希望があっても、なかなか計画の流れのなかにうまく挟み込めないのが実情です。
例えば、大手住宅メーカーに依頼した場合はどうでしょうか。大手メーカーでは、住宅の内装やインテリアについて自社住宅に合わせたオリジナル製品をつくっています。また、インテリアコーディネーターも社内で育成したり、インテリア専門の関連会社をつくって、そこで依頼する分には無料でコーディネーションが受けられるよぅにしています。つまり、ユーザーが独自にインテリアを調達しようとするとかなり割高になってしまうのです。
このスタイルは、規模は小さいながらも中小の住宅会社や工務店の場合でも、あまり変わりありません。一部の進歩的な工務店が、特定のインテリア会社やフリーランサーと契約して、希望があれば紹介していますが、それも予算に余裕がありインテリアにお金をかけられるユーザーに限られます。
では建築士に依頼した場合はどうでしょうか。建築士の中にはインテリアはインテリアコーディネーターに、という立場の人もいますが、多くはインテリアも自分の仕事の一部と考えています。住宅設計のテレビ番組をご覧になるとおわかりになるかもしれませんが、建築士のインテリアはどうしても見栄えが優先で、生活者のかゆところに手が届くというわけにはなかなかいきません。
いずれにしてもこのように住宅の計画は、最初に依頼した業者の都合のよいようにことが進んでしまうのが実情です。
そして、ユーザーがインテリアなどにこだわりを見せたときの殺し文句は「コスト高になりますよ」の一言です。
みなさんの中には「インテリアコーディネーターに依頼するとコスト高になる」と漠然と考えておられる方が多いのではないでしょぅか。しかし、それはこのような計画の進め方に問題があるのかもしれません。