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住まいには、お客様の生き方や暮らし方があらわれます。
今、世の中の枠組みが大きく変わるこのような時こそ、住まいや暮らしづくりに真に必要なもの、そして人生の各段階で手に入れる必然性のあるものは何かを、お客様と共に見つけて行きたいと思っています。
私は快適な住空間と充実した時空間を創造する者として、インテリアへの価値観を見直す機会を創り、空間全体のコーディネートを担当する者として、テキスタイルの生かし方や光と風、自然との組み合わせなどトータルインテリアの提案力をレベルアップさせる為に妥協せず、研鑽を積んでいたいと思っています。
ウインドウトリートメントから始めるインテリア
インテリアコーディネートは、一般的に内装や家具を中心に考えます。しかし、私が提案したいのは、カーテンなどのファブリック類を活かしたウインドウトリートメントです。そこからインテリア全体を組み立てて、オリジナリティのある空間を造りたいと願っています。
ファブリックをインテリアの主役に据えるためには商品に相応の品質が求められます。生地はもちろん、スタイル、裁断、縫製、取付にも徹底的にこだわったものでないと、その場は良くても、すぐに飽きたり、物足りなくなってしまいます。それでは価値がありませんし私たちI・Cが関わる意味がありません。
最近は、インテリアに関心の高い方が各年代とも多くなってこられました。中でも、予算が限られている若いお客様の場合、安価なものを均一にお勧めするのではなく、玄関やリビング、ベッドルームなど、まずは自分達の生活を重視するスペースだけに範囲を絞ってインテリアをコーディネートして行きます。クオリティの高いウインドウトリートメントやインテリア商品なら、確かな空間が構成できます。また資金がご用意できたら、その範囲を広げればよいし、その為の長期的なプランも合わせて提供しています。
お客様の住まいづくりを長くお手伝いさせていただくことは私のライフワークであり、幸せなことです。
グラスアーティストとの出会い
先日、“住まいと暮らしのギャラリー”にグラスアーティスト・三浦啓子先生の作品を展示させて頂くことができました。三浦先生は六本木ヒルズ森タワー、オーストラリア迎賓館、東京国立博物館などのグラスアート作品で国際的に評価されているアーティストです。先生は作品を通じて“透明な存在感”としての光を表現されています。フィールドは違いますが、光や風といった目に見えないものを住まいにどう取り入れ表現するかが重要だと考え、ウインドウトリートメントや照明計画などで工夫をこらしてきた私は、先生の作品展示を申し出たところ、思いがけず快諾していただいたのです。
「末廣さんのギャラリーを拝見して、こんな方となら一緒に仕事がしたいと思いました。室内が素晴らしい光で構成されていたのです。カーテンは光を遮るものではなく、光を楽しむためのもの……末廣さんと私の考え方は同じだと感じました」メディアに掲載された三浦先生の言葉に、自分の歩いてきた道が間違ってなかったという確信を得、はげまされました。
ウイズ苦楽園の立上げとインテリアの活動
21年前、(株)ウイズの創業に参画。この会社の活動が1988年3月、住まいと暮らしを提案するライフスタイルショップ“ウイズ苦楽園”をオープンさせました。“ウイズ苦楽園”は高級住宅地・芦屋に隣接する苦楽園の地で約100坪のスペースを有するインテリアショップです。ここを拠点に私達はオーダーカーテンを核とした家具、照明、カーペットなどのインテリアとリフォーム事業を展開し、年間700件以上のコーディネート実績を積み重ねて現在に到っています。
2007年には本店南にあるマンションの1Fを自身による企画でリノベーションし「住まいと暮らしのギャラリー」をオープン。ここは新築、リフォームの体験コンサルティングスペースであり、住まいづくりに携わる人達のサロンでもあります。
豊富な品揃えと商品サンプル
おかげさまで“ウイズ苦楽園”は関西有数のショップに育ちました。店内はゆったりしたスペースにスイスの高級ブランド・FISBAやクリエーション・バウマンを始め、国内外有名メーカーの商品がブランド別に30ブランド、3000アイテムが常時展示されています。関西では唯一の展示メーカーであるJAB、ウイリアムモリスやスミコホンダもフルラインで展示しているので、ユーザーはもとより、プロのコーディネーター、メーカーのトップの方々にも頻繁に利用していただいています。特に最近のオーダーカーテンに利用される生地は、ヨーロッパコレクションの傾向で文様の大きいものも多く、流行のサイクルも早く、大きな実物サンプルでなければ、満足の行くプレゼンテーションが出来ません。
一方「住まいと暮らしのギャラリー」はお客様とのパーソナルな時間を取らせていただき、時間をかけて、お部屋や住まいづくり、リフォームなどのプランを共有していただくスペースです。ギャラリーではお部屋づくりの素材やカーテン、ブラインドなどと家具、照明、電化製品をトータルに展開していますので、体験しながら、楽しみながらプランニングを進めていただくことが出来ます。
団欒・くらし
リフォームやリノベーションを考える時に大切にしていることは「家族の絆づくり」の具現化です。今までのマンションはLDKや一人一人の個室が中心でした。そして今ではそれぞれの個室にテレビやパソコン等が普及し家族は共同生活者となっているように思います。個人の生活も大切ですが、同時に家族の絆づくりをプランの中で実現したいのです。
例えば、LDKのどこかにオープンな書斎風パソコンコーナーを設ける、という提案をよくさせていただいています。昨年手がけたM放送のKアナウンサーのマンションリノベーションではこのコーナーをLDには設けられなかったので、廊下に設け、中途半端な使いにくい収納スペースを活用し廊下巾を少しだけ広くしました。上部は本棚にしたのでちょっとした家族の図書スペースにもなりました。ここはそれぞれの部屋に入る前に必ず通る所です。子供部屋には、型ガラスを入れた、おしゃれな上下窓を造ります。これは通風にも役立ち、子供の気配も解ります。マンションは、廊下に窓がないことが多いのですが、この、部屋の壁に付けた窓は廊下に室内の窓からの光が注ぎ込み、廊下が明るくなり、開放感が演出できました。
「部屋は人から……」を痛感
私はインテリアコーディネーターとは、お客様やご家族がお部屋や住まいでの主役として毎日自由に振舞われ、心豊かに、楽しく安心して暮らして行ける、そして10年後にも、良かったと思っていただける、そんなライフステージを提案、創造させていただく仕事だと考えています。
そのような気持ちから、
「部屋は人から、住まいは生き方」という、私達のスローガンが誕生しました。
この言葉を大切に、“ウイズ苦楽園”では私とスタッフそしてスティークホルダー(ご縁のある人々)が力を合わせてお客様の部屋や住まいづくりのお手伝いをさせて頂きたいと思っています。
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【Profile】 |
(株)ウイズ常務取締役 2級建築士
インテリアコーディネーター
福祉住環境コーディネーター(2級)
東京都生まれ。武蔵野美大卒業後、輸入商社、専門店にて、世界の一流ブランドのデザインやアート商品を扱う。その後、江戸友禅染織工芸家に入門、友禅染を学ぶ。併せて、手織り紬、つづれ織、型絵染等を修得し織と染めの仕事を受注する。
1982年、神戸に転居、住まいの大型専門店勤務を経て1988年(株)ウイズの創業に参画。
主にクライアント先の商品デザインの開発、マーチャンダイジング、セールスプロモーション分野にて力を発揮。同時にフラワーデザインを学び、日比谷フラワーアカデミー登録デザイナーとなり、自らフラワーアレンジメント花生活研究会の主宰となる。
1991年、インテリアショップ「ウイズ苦楽園」をオープン、責任者としてショップを運営する。その間、新分野として、リフォーム事業の拠点「住まいと暮らしのギャラリー」をプロデュースオープンさせ自らも毎年、年間150件以上のウインドウトリートメントを中心とするインテリアコーディネートやリフォーム、リノベーションを手がける。 |
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